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[File87] 近代日本美術協会
「どんな作品も受け止めて、成長を見守っていく」~「近美関東美術展」開催

2024/7/31
7月2日~8日、東京都美術館にて、近代日本美術協会関東支部の公募展「近美関東美術展」が開催された。今回は96名が参加し、意欲溢れる作品が会場を飾った。
近代日本美術協会関東支部の活動について、同協会東京支部支部長の高梨敬子先生にお話を伺った。

「反映2」東京支部支部長 高梨敬子先生

―「近美関東美術展」は盛況のうちに閉幕しました。多様な作品が出品されていたことが印象的です。
  •  今年「近美関東美術展」は96名が参加、130点が出品されました。本会は「感動を伝える」ことを基本的な姿勢としてきましたが、今展は「私の素敵な世界を伝えたい」という作品が多く発表されました。ジャンルを問わず、さまざまな作品が出品されています。会としては、新しい作品はウェルカムなので、意欲的な作品が集まったことをうれしく思っています。
―今回の「近美関東美術展」を振り返って、いかがでしょうか。
  •  今回は若い方の面白い作品が多かったように思います。最年少は16歳の高校生で、「近美関東美術展」が初めての公募展出品だったそうです。大学生や海外からの出品もありましたし、若い方の参加が増えてきました。毎年何かを主張しようとするメッセージ性の強い作品が多いのですが、今年は特に、自然や動物との共生を訴える作品が多かったように感じました。
「Party monster」熊谷龍弥(高校生作品)
―賞が多彩で、受賞者が多いことも、「近美関東美術展」の特徴ですね。
  •  作家は賞を取ると次への意欲が沸いてくるものなので、なるべくたくさんの人に賞をあげたいというスタンスです。このため「近美関東美術展」では、大成されたベテラン作家には「ベスト作家賞」、これからの方には近美関東美術展大賞、近美理事長賞、特選、優秀賞、奨励賞、小品最優秀賞、小品優秀賞を設けています。副賞として賞金、賞品を授与します。
―近年、多くの公募団体が高齢化に悩みを抱えている中で、若い世代が増えているのは驚きます。何か理由があるのでしょうか。
  •  そうですね、近美の「どんなものでも受け止める」という姿勢がその理由ではないでしょうか。自分の思いをぶつけて感動を伝えるということを会の趣旨としているので、作品のジャンルは問いませんし、技術より個性を大切にしています。また、「こうでなければいけない」ということも言いません。「感動をどう伝えているか」ということを重視しているので、若い方でも挑戦しやすいのかもしれませんね。
―若い会員の方は、普段どのように活動されていますか?
  •  メールのやりとりで講評を求められることが多いですね。毎年、出品された作品を見ていると、彼らの成長を感じますし、素晴らしい作品をつくる作家になっていくのを見るのはとてもうれしいですね。努力している人を引っ張り上げて育てることが私たちの役割だと思っていますので、これからも応援していきたいと思っています。
―これから応募してみたいという方にアドバイスをお願いします。
  •  まずは勇気を出して出品してください。私たちはどんな作品も受け止めますので、心配しながら出さないで大丈夫です。緊張する気持ちもわかりますが、自分の中に閉じこもっていると、そこから抜け出せなくなります。まずは発表して、自分の作品を客観的に見てみることが必要です。近美はフラットな運営を心がけていて、理事長をはじめ、皆フランクにどんな方のアドバイスにも応じています。誰でも受け止めるので、まずは一歩踏み出してください。
―ありがとうございました。
  • 「美術活動を通じ、各自の発展と相互の研鑽・親睦且つ新人の養成、埋もれた英才の発掘に努め、優秀な作家を育てること」を目的として、1975年に発足した近代日本美術協会。東京支部は約90名の会員が切磋琢磨しながら、研鑽を積んでいる。「東京は国際都市なので、刺激に溢れ、新しい何かを見つけられる場所。いろいろなものがぶつかり合う中で、出てくるものがあるのではないか」と高梨先生。支部内でも、さまざまな世代が刺激を受け合いながら、日々制作に励んでいるという。
  •  東京支部では、随時会員を募集しており、近代日本美術協会の会員にならず、東京支部のみの所属も可能。詳細はホームページから。
  • https://www.kinbi-tokyo.com/
(文・構成=村串沙夜子)
近美関東美術展大賞「錦秋の懐古園」河内正行
近美理事長賞「野の白鳥」樋口奈穂
「瀬戸内 小港の朝」近代美術協会理事長 渡邉祥行
「Breath」粟島美幸
「平和への願い」川崎順四
「KOKORO」山上久子
ベスト作家賞「揺れる」雨宮正子
会場にいらした雨宮さん:大枠を決めてからは即興で描いているそうです。
ベスト作家賞「Primavera」菊池純代 日本画
ベスト作家賞「すれ違う哀しみ」本田哲也
ベスト作家賞「グラン・パレ」宮林忠政
ベスト作家賞「東風」吉田絵美
奨励賞「寄り添う」金田照枝
特選「Mamorubeki inochi」木村美穂子
奨励賞「ふたりきり」冨田弦 大学生の作品だそうです。
小品最優秀賞「賑わい」青木松子 和紙ちぎり絵
会場風景
公募情報
 近代日本美術協会
  • 2024年作品募集 近美関東美術展のご案内
  • 会期
  • 2024年7月2日(火)~7月8日(月)
  • 搬入
  • 2024年6月23日(日)
  • 申し込み締め切り
  • 2024年6月1日(土)
  • 会場
  • 東京都美術館
  • 作品
  • 平面作品(油彩画、日本画、水彩画、パステル画、水墨画、和紙画等)6号~100号
  • 一人5点まで
  • 出品料
  • 1点10,000円1点増すごとに3,000円/1点 追加
  • 上位優秀賞には賞金も、一人5点まで出品できます
  • ただし原則として20号以上を賞対象とする
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  • ※すでに2024年は終了しております。
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  • 応募申込書提出及び出品料払込みを完了してください
  • https://www.kinbi-tokyo.com/tenrankai.html
ART公募内公募情報 | 近代日本美術協会 https://www.artkoubo.jp/kinbiten/
団体問合せ
  • 近代日本美術協会展本部
  • 〒162-0814 東京都新宿区新小川町6-27-1101
  • 090-8286-3517
  • mail@kinbi.jp
  • http://www.kinbi.jp/
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